多彩な個性が光るミドルスーパースポーツ
ミドルスーパースポーツは、1000ccクラスに比べて車体や出力がコンパクトでありながら、日常走行からサーキットまで高いパフォーマンスを発揮するカテゴリーです。
過剰すぎないパワーと取り回しやすさが魅力で、スポーツ走行の入門者からベテランまで幅広い層に適しているとされています。
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そのため、各メーカーは独自の強みを活かして多彩なモデルを展開しており、ライダーの志向に応じたラインナップとなっています。
そして、今回取り上げるカワサキ「ニンジャ ZX-6R」、ホンダ「CBR600RR」、アプリリア「RS 660」は、それぞれが異なる個性を備え、現行モデルの中でも注目度の高い存在のようです。
●カワサキ「ニンジャ ZX-6R」
ニンジャZX-6Rは、636cc水冷直列4気筒DOHCエンジンを搭載するスーパースポーツです。

カワサキ「ニンジャ ZX-6R」
600ccクラスに対して排気量に余裕を持たせたエンジンは、低中速域でのトルクを豊かにし、街乗りや高速走行での扱いやすさを高めているといいます。
LEDヘッドライトは単焦点プロジェクターとリフレクターを組み合わせ、奥行き感のある表情を形成するなど、外観は新世代の「ニンジャスタイル」を反映したシャープなフロントマスクが特徴です。
さらに、複雑なレイヤーデザインのカウルにはウイングレット風のクインテークが備わっており、スポーティさを際立たせています。
装備面では、スマートフォンと連携できる4.3インチTFTカラーインストゥルメントを搭載。ライディングデータの記録や通知機能などが活用できます。
また、フロントにはø310mmの大径ディスクとラジアルマウント4ピストンモノブロックキャリパーを組み合わせ、確かな制動力とコントロール性を確保しました。
新車価格は、ZX-6RとZX-6R 40th Anniversary Editionが159万5000円、ZX-6R KRT EDITIONが158万4000円に設定されています。
●ホンダ「CBR600RR」
CBR600RRは、低中回転域での扱いやすさも維持しつつ、高回転までスムーズに吹け上がる特性が魅力のミドルスーパースポーツです。

ホンダ「CBR600RR」
エンジンには、599ccの水冷直列4気筒DOHCエンジンを採用。カムシャフトやクランクシャフトの改良、吸排気系の最適化によって高回転域での伸びを向上させ、最高出力89kWを実現しています。
さらに、外観は空力性能を意識したフォルムでまとめられました。くわえて、フロントカウルにウイングレットを備え、コーナー進入時や加速旋回での安定感を向上させています。
また、スロットルバイワイヤシステムを採用することで、ライディングの状況に応じた特性を選択できるのも魅力とされています。
なお、CBR600RRの新車価格はグランプリレッドで160万6000円、マットバリスティックブラックメタリックで143万円となっています。
イタリアンメーカー・アプリリアのミドルスポーツ
●アプリリア「RS 660」
最後に紹介するのは、アプリリア「RS 660」です。

アプリリア「RS 660」
659cc水冷並列2気筒DOHCエンジンを搭載し、最大出力は73.5kW(101ps)/10,500rpm、最大トルクは67Nm/8,500rpmを発揮。
高回転型のエンジン特性により、スポーツ走行で際立つパフォーマンスを持ちながら、公道での扱いやすさも意識されているといいます。
そして、外観デザインは新世代アプリリアの方向性を示すために、シャープでモダンなスタイルが採用されています。
特徴的なトリプルLEDヘッドライトはデイライトが組み込まれており、存在感を高めるとともに安全性にも寄与するようです。
くわえて、自動点灯機能やコーナリングライトを備え、夜間走行やワインディングでも安心感を提供します。
さらに、エンジンパワーモード、エンジンブレーキ制御、トラクションコントロール、ウィリーコントロール、上下対応のクイックシフターを搭載するなど、電子制御も充実しています。
なお、RS 660の新車価格は159万5000円となっています。
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今回紹介した3台は、いずれも現行で入手可能なミドルクラスのスーパースポーツです。
ニンジャ ZX-6Rは636ccならではの余裕を活かしたバランスの良さ、CBR600RRは電子制御と空力を磨き込んだ万能性、RS 660は2気筒の軽快さと先進装備を両立しています。
このように、それぞれが異なる方向性を持っていますが、いずれも中型免許で扱える範囲を超えた高性能を備えており、現行のスーパースポーツ市場を支える存在といえるでしょう。