日常とスポーツの境界を超えるストリートネイキッド
250ccクラスのストリートファイターは、軽量ボディと扱いやすいエンジンを組み合わせた万能モデルとして人気があります。
通勤や通学といった日常使いからワインディングやツーリングまで幅広くこなせるバランスの良さが特徴です。
【写真】こう見えて実は万能バイク!「250ccストリートファイター」を見る(24枚)
本記事では、デザイン・エンジン特性・装備面で個性を放つ3つのモデルを取り上げます。
●ヤマハ「MT-25」
まず紹介するのは、ヤマハ「MT-25」です。

ヤマハ「MT-25」
このモデルは、“闇夜を駆ける”というMTシリーズの世界観を体現した一台です。
デザインコンセプトは「Naughty(やんちゃな)」で、ショートオーバーハングと凝縮感ある卵型シルエットが特徴。切れ長のLEDポジションランプを備えたフロントフェイスが精悍さを強調しています。
エンジンは水冷DOHC並列2気筒249ccで、最高出力35ps/12000rpm、最大トルク23Nm/10000rpmを発生。上位モデルのMT-03(320cc/42ps)と共通の設計をベースに、軽快さと扱いやすさを両立しています。
さらに、アシスト&スリッパークラッチ(A&Sクラッチ)を採用し、クラッチ操作を軽減。シフトダウン時の挙動を穏やかに保ちながらスムーズな操作感を実現しています。
装備面では、視認性の高いフル液晶メーターにギヤポジション表示とシフトインジケーターを搭載。USB Type-A端子やスマートフォン連携アプリ「Y-Connect」に対応し、通話通知やメンテナンス管理なども行えます。
また、足まわりは37mm径倒立フォークとモノクロスリヤサスペンションを組み合わせ、ABSを標準装備。シート高は780mm、車両重量166kgと足つき性にも配慮されています。
燃料タンク容量は14Lで、WMTCモード燃費は26.5km/Lです。
価格は63万2500円からで、街乗りからツーリングまで幅広く対応できるバランス型ネイキッドといえます。
●スズキ「ジクサー250」
次に紹介するのは、スズキ「ジクサー250」です。

スズキ「ジクサー250」
このモデルは、“軽く・小さく・シンプル”をテーマに開発されたライトウエイトスポーツです。
搭載する249cc単気筒SOHC4バルブエンジンは油冷SEP方式を採用し、最高出力26ps/9300rpm、最大トルク22Nm/7300rpmを発生。
スズキ独自のSOCS(スズキオイルクーリングシステム)が燃焼室を効率的に冷却し、環境性能と出力の両立を図っています。
また、フリクション低減を追求した設計で、低回転域の粘りと中高回転の伸びを両立し、ショートマフラーはデュアルテールエンドを備え、上質な排気音を演出します。
シャシーは高剛性のダイヤモンドフレームで、装備重量は154kgと軽量。フロントは直径41mmのフォーク、リヤには7段階プリロード調整式のモノショックを採用。ABS付きディスクブレーキ(前300mm/後220mm)により制動性能を高めています。
そして、フル液晶メーターにはギヤポジション、RPMインジケーター、オイルチェンジ警告などを搭載。シート高は800mm、燃料タンク容量は12L。燃費はWMTCモードで34.5km/Lと優れています。
価格は48万1800円で、燃費性能と整備性の良さが魅力。街乗り主体のライダーや、軽さを重視する層に向いた実用志向のネイキッドです。
最後はカワサキの本格スーパーネイキッド
●カワサキ「Z250」
最後に紹介するのは、カワサキ「Z250」です。

カワサキ「Z250」
このモデルは、シリーズ共通の“SUGOMI(凄み)デザイン”を受け継ぐスーパーネイキッドです。
鋭角的なカウルと低く構えたスタイルは、同社の大型モデル「Z900」などと共通する造形で、コンパクトながら迫力のある印象を与えます。
エンジンは並列2気筒248ccで、全域で力強いトルクを発揮。高回転まで滑らかに吹け上がる特性で、初心者にも扱いやすい設定となっています。
また、軽量トレリスフレームにより剛性と軽快さを両立し、41mm径フロントフォークとユニトラック式リヤサスペンションが安定したハンドリングを実現します。
さらに、ブレーキはフロントに310mmセミフローティングディスクを採用し、ABSを標準装備。LEDヘッドライトやテールランプ、多機能メーターなど装備面も充実しています。
車両重量は約164kg、シート高は795mmで足つきも良好。燃料タンク容量は14L、価格は70万4000円と今回の3車の中では最も高価ですが、その分、質感と存在感は抜群です。
「Zシリーズ」の流れをくむ“SUGOMI”デザインと、カワサキらしいスポーティなエンジンフィールが調和した、王道ストリートファイターといえるでしょう。
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この3モデルはいずれも軽量コンパクトで、街中でも取り回しがしやすく、ツーリングにも対応できる実用性を備えているほか、ABSやフル液晶メーターを標準装備し、維持費を抑えながらもスポーティに走ることが可能です。
いずれも250ccクラスらしい軽快さと所有感を両立したネイキッドであり、“日常を走ること自体を楽しむ”という価値を体現したモデルといえるでしょう。