
クルマ好きなら嫌いな人はいないといって過言ではない人気のホットハッチ、スズキ スイフトスポーツがいよいよ生産を終了する。最終仕様「ファイナルエディション」を見ながら、3代目スイフトスポーツの魅力を改めて振り返ろう。
※本稿は2025年10月のものです
文:ベストカー編集部/写真:スズキ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年11月10日号
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とうとうこの時がきてしまった……

ついに生産を終了するスズキ スイフトスポーツ。こちらは最終仕様の「ファイナルエディション」
3代目となるZC33S型スイフトスポーツが、2025年11月をもって生産を完了する。すでに標準仕様は2月に生産を完了しており、現在生産されるのは『ファイナルエディション』のみとなっている。
ベースとなるスイフトは2024年に新型へとモデルチェンジしており、スイスポも新型へのモデルチェンジが期待されているが、今のところ「新型スイフトスポーツ」の存在は明らかにはされていないため、スイスポはいったん消滅することになる。
いまや貴重なホットハッチ

「取り立てて高性能な何か」があるわけではなく、サスもエンジンも至って普通なもの。しかし走りを楽しむためのさまざまな工夫が凝らされている
スイスポは走りにウルサイ自動車評論家諸氏からも高く評価されている。
特別凄い“飛び道具”があるわけではないが、MTモデルの車重は970kgと軽く、それでいながらガッチリとした剛性感の高い車体を作り上げている。
足回りはフロントがストラット、リアはトーションビームで、これだって特別なものではないが、横剛性が高く接地変化が少ないため安定した操縦性を発揮する。
140ps、23.4kgmのエンジンは1.4Lターボで、これとて特別なものではないが、低中速からのトルクレスポンスに優れ、ATで乗っても走りが楽しめる。
そして、なんと言っても安い! 6速MTモデルの価格は216万4800円。クルマの価格がどんどん上がる現在、この価格で本格的な走りが楽しめるホットハッチが手に入れられるのは、スイフトスポーツが唯一の存在だ。スイフトスポーツは安くて走りが楽しめる、クルマ好きの希望の存在なのだ!
●スズキ スイフトスポーツ(ZC33S型)主要諸元 ※カッコ内は6AT車の数値
・全長×全幅×全高:3890×1735×1500mm
・ホイールベース:2450mm
・車両重量:970kg(990kg)
・トレッド(F/R):1510mm/1515mm
・最低地上高:120mm
・最小回転半径:5.1m
・エンジン:直列4気筒DOHCターボ
・ボア×ストローク:73.0×81.9mm
・総排気量:1371cc
・圧縮比:9.9
・最高出力:140ps/5500rpm
・最大トルク:23.4kgm/2500-3500rpm
・トランスミッション:6MT(6AT)
・WLTCモード燃費:17.6km/L(16.6km/L)
・サスペンション:F=ストラット R=トーションビーム
・タイヤサイズ:195/45R17
・価格:217万4800円(223万6300円)